紹介状情報モジュール(Ver2.3新規モジュール)

 

はじめに

紹介状モジュール(Referral Module)は、mmlRe:ReferralModuleで表される。このモジュールに含まれるエレメントは使いやすさを考え、構造化せずにフラットな形を採用した。紹介状モジュール(Referral Module)は、MMLを上位規約とするため、MML仕様書に記載されている仕様が紹介状モジュール(Referral Module)にも適用される.

 

概要

紹介状モジュール(Referral Module)は、紹介状をもとにした病診連携のためのデータ交換の仕様である。紹介状は、様式6の診療情報提供書であるが、各医療施設で発行される紹介状はそれぞれ様式6と若干異なっている。ここでは、様式6に基づき、データ交換のための最小データセットを定義し、提供するものとする。最小データセットとは、紹介状を表現するためにMMLに新規導入モジュールとして定義する最小の語彙を意味する。実際の紹介状作成にあたっては、例えば患者情報についてはMMLで既に定義されている患者情報モジュールを利用する。つまり、氏名、生年月日、住所、電話番号等の患者情報についてmmlPi:PatientModuleで定義されているエレメント群を利用する。

紹介状に添付される可能性がある画像、検査結果、処方など既にMML共通形式の外部参照形式のmmlCm:medicalRoleで分類されているデータについて、同様に外部参照形式mmlCm:extRefエレメントを利用し、MMLインスタンスから見た外部ファイルを参照する形を推奨する。一方、検査結果mmlRe:testResultsについては、検歴情報モジュールを利用すると、XMLで統一できる。また、処方mmlRe:medicationについて、本モジュールとは別の電子カルテ・医事会計システム連携のためのデータ交換仕様であるCLAIMモジュールで表現することができる。やはりこれを利用すると、XMLで統一できる。
同様に、紹介状作成者はMML共通形式(作成者情報形式)mmlCi:CreatorInfoを利用し、紹介状モジュール・インスタンス生成における生成者情報と現実の紹介状作成者を一致させる。紹介状作成医師の所属する医療機関、および科目についてはMML共通形式(個人情報形式)mmlPsi:PersonalizedInfoを利用することになる。

 

namespaces宣言

本モジュールのnamespaces宣言は,以下とする.

xmlns:mmlRe="http://www.medxml.net/MML/ContentModule/Referral/1.0"

 

文書ヘッダ情報(docInfo)のモジュール個別仕様

docInfo

属性contentModuleTypeにMML0005テーブル「referral」を入力すること.

title

紹介状の内容を示すタイトルを入力すること.
属性のgenerationPurposeは,MML0007テーブル「consult」を入力すること.

confirmDate

紹介状モジュール生成日である.

mmlCi:CreatorInfo

紹介状モジュールにおける文書作成者とは,紹介状の記載者である.代筆等で紹介者(mmlRe:referFrom)と記載者(mmlCi:CreatorInfo)が異なることもあり得る.

extRefs

紹介状モジュール内のmmlCm:extRefエレメントを記載する.記載されている外部リンク情報の数だけ繰り返す.

content

一つのcontentに一つだけ紹介状モジュールを入れる.

 

エレメント一覧表

 

Elements

Attribute

Datatypes

Occurrence

Table id

1

mmlRe:ReferralModule

 

 

 

 

1.1.

mmlPi:PatientModule

 

 

 

 

1.2.

mmlRe:occupation

 

string

?

 

1.3.

mmlRe:referFrom

 

 

 

 

 

mmlPsi:PersonalizedInfo

 

 

 

 

1.4.

mmlRe:title

 

string

 

 

1.5.

mmlRe:greeting

 

string

?

 

1.6.

mmlRe:chiefComplaints

 

string

 

1.7.

mmlRe:clinicalDiagnosis

 

 

?

 

1.8.

mmlFcl:pastHistory

 

string

 

1.8.1.

mmlCm:extRef

*

1.9.

mmlFcl:familyHistory

 

string

?

1.9.1.

mmlCm:extRef

*

1.10.

mmlRe:presentIllness

 

string

 

 

1.10.1.

mmlCm:extRef

*

1.11.

mmlRe:testResults

 

string

?

 

1.11.1.

mmlCm:extRef

*

1.12.

mmlSm:clinicalCourse

 

?

 

1.13.

mmlRe:medication

 

string

?

 

1.13.1.

mmlCm:extRef

*

1.14.

mmlRe:referPurpose

 

string

 

 

1.15.

mmlRe:remarks

 

string

?

1.15.1.

mmlCm:extRef

*

1.16.

mmlRe:referToFacility

 

 

 

 

1.16.1.

mmlFc:Facility

 

 

 

 

1.16.2.

mmlDp:Department

1.17.

mmlRe:referToPerson

 

 

?

 

1.17.1.

mmlPsi:PersonalizedInfo

 

 

 

 

1.18.

mmlRe:referToUnknownName

 

string

?

 


Occurrence  なし:必ず1回出現,?: 0回もしくは1回出現,+: 1回以上出現,*: 0 回以上出現

     #REQUIRED:必須属性,#IMPLIED:省略可能属性

 

 

エレメント解説

1.mmlRe:ReferralModule

【内容】紹介状モジュール。同一医師の一回に行う紹介状作成行為を一つのモジュールに収める。

【省略】不可

 

1.1.mmlPi:PatientModule

【内容】患者情報。氏名、生年月日、住所、電話番号等の患者情報。構造はMMLモジュール(患者情報モジュール)参照。

【省略】不可

 

1.2.mmlRe:occupation

【内容】職業。

【省略】省略可

【文書のレイアウト】XHTML使用可

 

1.3. mmlRe:referFrom

【内容】紹介者情報を入れる親エレメント.

【省略】不可

 

1.3. 1. mmlPsi:PersonalizedInfo

【内容】紹介者.構造はMML共通形式(個人情報形式)mmlPsi:PersonalizedInfoを参照.

【省略】不可

 

1.4. mmlRe:title

【内容】紹介状、診療情報提供書など。将来、検査依頼書も想定しているため設定している。

【省略】不可

 

1.5. mmlRe:greeting

【内容】挨拶文。

【省略】省略可

【文書のレイアウト】XHTML使用可
【例】

--------------------------------------------
<mmlRe:greeting>
謹啓  平素は患者の診療について種々ご配慮頂きまして有難うございます。<xhtml:br/>
さて、下記の患者をご紹介申し上げます。<xhtml:br/>
ご繁忙のところ恐縮に存じますが、よろしくご高診賜りますよう、お願い申し上げます。
</mmlRe:greeting>
--------------------------------------------

 

1.6.mmlRe:chiefComplaints

【内容】主訴

【省略】不可

【文書のレイアウト】XHTML使用可

 

1.7.mmlRe:clinicalDiagnosis

【内容】病名.このエレメントでは,特に構造化せず,XHTMLを用いて記載する.構造化が必要なときは,別個に診断履歴モジュールを作成し,紹介状モジュールとgroupIdを用いて束ねる.

【省略】省略可

【文書のレイアウト】XHTML使用可

 

1.8.mmlRe:pastHistory

【内容】既往歴。テキスト(#PCDATA)とmmlCm:extRefの混在可

【省略】可

【文書のレイアウト】XHTML使用可

 

1.8.1.mmlCm:extRef

【内容】外部参照図,グラフなどを添付するときに,MML共通形式(外部参照形式)を用いる.

【繰り返し設定】繰り返しあり.外部参照ファイルが複数あれば,数だけ繰り返す.

 

1.9.mmlRe:familyHistory

【内容】家族歴。テキスト(#PCDATA)とmmlCm:extRefの混在可

【省略】省略可

【文書のレイアウト】XHTML使用可

 

1.9.1.mmlCm:extRef

【内容】外部参照図,表などを添付するときに,MML共通形式(外部参照形式)を用いる.

【繰り返し設定】繰り返しあり.外部参照ファイルが複数あれば,数だけ繰り返す.

 

1.10. mmlRe:presentIllness

【内容】症状経過。テキスト(#PCDATA)とmmlCm:extRefの混在可

【省略】不可

【文書のレイアウト】XHTML使用可

 

1.10.1.mmlCm:extRef

【内容】外部参照図,表などを添付するときに,MML共通形式(外部参照形式)を用いる.

【繰り返し設定】繰り返しあり.外部参照ファイルが複数あれば,数だけ繰り返す.

 

1.11.mmlRe:testResults

【内容】検査結果。テキスト(#PCDATA)とmmlCm:extRefの混在可

【省略】省略可

【文書のレイアウト】XHTML使用可

 

1.11.1.mmlCm:extRef

【内容】外部参照図,グラフ,表などを添付するときに,MML共通形式(外部参照形式)を用いる.

【繰り返し設定】繰り返しあり.外部参照ファイルが複数あれば,数だけ繰り返す.

 

1.12. mmlSm:clinicalCourse

【内容】治療経過.構造はMMLモジュール(臨床サマリーモジュール)のmmlSm:clinicalCourseを参照.

【省略】省略可

 

1.13.mmlRe:medication

【内容】現在の処方。テキスト(#PCDATA)とmmlCm:extRefの混在可

【省略】省略可

【文書のレイアウト】XHTML使用可

 

1.13.1.mmlCm:extRef

【内容】外部参照図,ファイル,表などを添付するときに,MML共通形式(外部参照形式)を用いる.

【繰り返し設定】繰り返しあり.外部参照ファイルが複数あれば,数だけ繰り返す.

 

1.14.mmlRe:referPurpose

【内容】紹介目的

【省略】不可

【文書のレイアウト】XHTML使用可

 

1.15. mmlRe:remarks

【内容】備考。テキスト(#PCDATA)とmmlCm:extRefの混在可

【省略】省略可

【文書のレイアウト】XHTML使用可

 

1.15.1.mmlCm:extRef

【内容】外部参照図,ファイル,表などを添付するときに,MML共通形式(外部参照形式)を用いる.

【繰り返し設定】繰り返しあり.外部参照ファイルが複数あれば,数だけ繰り返す.

 

1.16.mmlRe:referToFacility

【内容】紹介先医療機関名。施設情報を入れる親エレメント。

【省略】不可

 

1.16.1. mmlFc:Facility

【内容】紹介先医療機関.構造はMML共通形式(施設情報形式)mmlFc:Facilityを利用する.

【省略】不可

 

1.16.2. mmlDp:Department

【内容】紹介先診療科.構造はMML共通形式(施設情報形式)mmlDp:Departmentを利用する.

【省略】可

 

1.17.mmlRe:referToPerson

【内容】紹介先医師名.氏名情報を入れる親エレメント.

【省略】省略可

 

1.17.1. mmlPsi:PersonalizedInfo

【内容】紹介先医師.構造はMML共通形式(個人情報形式)mmlPsi:PersonalizedInfoを利用する.

 

1.18. mmlRe:referToUnknownName

【内容】医師名を指定しない相手。

【省略】省略可