parentIdによる文書間の関連付け

 

一つのモジュールアイテム(MML基本構造1.2.1.MmlModuleItem)には,一つのユニークな文書ID(1.2.1.1.3.1.uid)が割り付けられる.uidはUUIDとする.uidは必須エレメントであり,MMLプロセッサーは,MMLインスタンス生成時に必ずuidを附番しなければならない.また,MMLプロセッサーは,MMLインスタンスを受け取った時に,何らかの手段でuidをローカルに保存しておくことを強く推奨する.

MMLでは,関連親文書ID(MML基本構造1.2.1.1.3.2.parentId)を記載し,文書をポイントすることにより,文書間の関連付けを行うことができる.

親文書IDによるポイントは,次のような利用法が考えられる.

  1. 文書の訂正(テーブルMML0008  oldEdition)
    すでに生成した文書を訂正,更新したい時に,前文書のuidをポイントする.ただし,前文書を物理的に消去する必要はなく,ユーザーインターフェイス上見えなくするに留めておくことが望ましい.
  2. オーダーとその結果の関連付け(テーブルMML0008  order)
    一つのオーダー文書を,複数の結果文書(通常どちらも経過記録情報モジュールを用いる)からポイントすることにより,検査結果のグルーピングが可能である.
  3. 質問とその返答の関連付け(テーブルMML0008  consult)
    電子メールのスレッド管理と同じ機能が可能である.
  4. 病名の変遷(テーブルMML0008  originalDiagnosis)
    病名の時系列的な変遷を表すことが可能である.病名の終了(前病名文書と同じ病名で転記を終了とした新病名文書を生成),変化(前病名文書と異なる病名の新病名文書を生成),分離(前病名文書に対して,病名の異なる複数の新病名文書を生成),併合(複数の前病名文書に対して,一つの新病名文書を生成)を表すことができる.
  5. 病名に対する適用健康保険(テーブルMML0008  healthInsurance)
    医事会計上必要である場合に,対応可能である. 

 

補足:MMLインスタンスを受け取るMMLプロセッサは,受け取ったMMLインスタンスの関連親文書IDから,該当する文書を検索できることが望ましい.しかし,受信側MMLプロセッサが検索できる保証がない場合は,送信側MMLプロセッサは,過去にすでに送った文書に対してのみ,親文書IDによるポイントを行うべきである.