アクセス権と暗号化

 

MMLインスタンス生成者の判断により,一文書ごとにアクセス権を記載することができる(MML基本構造1.2.1.1.1.1.accessRight).ただし,このアクセス権は,インスタンス生成時において,インスタンス生成者の判断により記載されるものであり,インスタンスを受ける側が,記載されたアクセス権をどのように利用するかは,MMLでは定義されない.すなわち,実際のアクセスコントロールは,ユーザーのアプリケーションに委ねられる.

MMLでは,インスタンスの暗号化を規定しない.暗号化の具体的な方法はユーザーによって選択される.しかし,暗号化情報エレメント(MML基本構造1.1.5.encryptInfo)に,暗号化に関する情報を記載することは可能である.記載方法は規定しない.

暗号化の想定される一つの方法として,MMLインスタンスの本文(MML基本構造1.2.MmlBody)のみを公開鍵方式により暗号化し,暗号化に関する情報(用いた暗号化方法)を暗号化情報エレメントに記載することが考えられる.生成者情報(MML基本構造1.1.1.mmlCi:CreatorInfo)の生成者IDから生成者の公開鍵を取得し,復号化できれば,電子署名となる.

MMLインスタンスの一部またはすべてを暗号化したものは,厳密にはMMLの規格外であり,復号化されたもののみに対し,MMLの規格は適用される.